2013年1月5日土曜日

学校はもっと単位制・定時制になるべきだ

いじめ事件に警察が本格的に介入するようになったのが
2012年という年であったように思う
学校に捜索の手が入り
加害者とされる生徒らが
次々と書類送検/児童相談書送致されるなんて
わたしが教員をやっていた5年前には
まだまだ現実味が薄かった気がする

つまり外部機関による取り締まりを強化させることで
聖域になりやすい学校現場に
一般社会と同じルールをきちんと適用させようと
そういうことなんだろう
それはそれで理解できるし
今の状況を見る限り必要な事なんだろうと思う

しかし…である
今から13年前に不登校生徒増加に歯止めをかけるべく
新しいコンセプトの学校の開設メンバーとして
学校の在り方を考えていた頃を思うと
結局何も変わっていないんだなぁと
ちょっと悲しくなってしまうのだ
それは学校というシステム自体の有り様である

当時誰が不登校になってもおかしくないと言われるほどに
不登校児童/生徒の問題は大きくなっていた
そこには当然いじめの問題も大きく絡んでいた
そんな中でスタートした学校は単位制定時制高校であった
つまり不登校が当たり前な状況というのは
学校というシステムの方が
もう時代に合わなくなっているんじゃないかというのが
その発想の元にある…とわたしは捉えていた

学校集団とかクラス集団とかが
今はもう昔のように受け入れられなくなっているのだ
誰もがかつて考えられなかったほどに
個人的な快楽を志向する時代である
ならば子どもたちだって
昔以上に「学校」という場に
無理矢理押し込まれたというストレスが強いはずだ

もう今はすでに地域の繋がりはないに等しい
保護者同士の関係だってかつてよりははるかに希薄だ
それなら学校/クラス集団に頑張って属していようなんて
思わなくてもまったく自然ではないか

一方でもちろん学校現場は
他人とのきちんとしたコミュニケーションを学ぶ場でもある
いわゆる知識を身に付ける勉強はネットでもできる時代だ
その分学校が担うコミュニケーションを重視した
集団での体験&経験の場としての役割は
確かに大きくなっていると思う
でもそれをもって「だからこそ今までの学校の在り方が重要だ」
と何もしないで開き直るのはおかしいし怠慢である

その一つの打開策が
学年制から単位制へであり全日制から定時制へだと
わたしは思っていたのだ
人と関わる時間や規模を苦しくならない程度に抑えることで
良い体験を少しずつ積み重ねて行くこと
これは単位制や定時制ならより自然に行なえるだろうと

もちろんすべての学校がそうなれば良いとは思っていない
あくまで選択肢が増えて欲しいと思っているのだ
でも現状はそれほど増えているとは思えない
まだまだ“特殊な”学校というイメージに留まっている気がする

公立の中高一貫校が生まれる時代である
ここは一つ公立の単位制中学校とかどうであろう

現在の中学校でも夜間部(夜間中学)や通信制はあるが
基本的に学齢超過者を対象とはしているものだ
それを新しいコンセプトで提示してもっと広く一般に開放する 
資格による単位認定なども取り入れる 

そういう学校システムのドラスティックな改革が
本当は今一番求められているんじゃないかと思うのである

少なくとも
今の子どもたちがストレスを感じない程度の
集団規模とか学校時間とかいったことを
真剣にきちんと研究・検討することぐらい
しても良いんじゃないだろうか 

などとあれこれ考える冬の午後であった