あくびも満足にできないくらいに
カラダが緊張し力が抜けなくなっていたのだった
ちょうど冬の寒い季節に暖かい部屋から外に出た時のように
首・肩・背中が縮こまってしまう感じなのだと思うが
本人に自覚がないくらいにクセのようになっていたのだ
病休に入ってからそういう自分のカラダの状態に気づいたが
でも具体的にどうすれば良いかもわからず
それよりも自信喪失感・無力感とか
頭痛や吐気といった目の前のことを
どうやり過ごすかで手一杯であった
でもな〜こと一緒にいる時に
少しずつカラダに入っているムダな力を抜くことが
わかるようになっていったのだ
それは裸の背中をさすり合うという単純な行為だった
指圧でもなくマッサージでもなく
ただ力を抜いた手のひらで
ゆっくりやさしく撫でるというだけである
でも彼女はわたしの背中を撫でると
わたしのカラダの緊張状態がわかるので
「はい、もっと力抜いて〜。」
と言ってくれる
力が抜けると
「そうそう、そんな感じ〜。」
と確認してくれるから
力を抜く感覚というのがわかるようになったのだ
逆に彼女の背中をわたしが撫でても
わたしのカラダが緊張しているかがわかるらしいのだ
わたしが緊張しているとリラックスできないらしい
リラックスできるとアクビを連発し出すので
これまたわたしには感覚がつかみ易いのである
というふうにしてわたしは次第に
何もしないで力を抜くことと
動きながら力を抜くことを覚えたのである
それが今の回復に繋がっているんだと思う
もちろん今でも知らず知らずに
カラダに力が入っちゃうことはあるんだけど
抜く感覚がわかったというのは大きなことなのだ
こういうことは
「カラダの余分な力を抜きましょう」みたいな言葉だけでは
感覚的にわからないものだし
心療内科や精神科では治療行為の対象にもならない
かと言って普段マッサージとか受けたことのない身には
まったくの他人に触られると思っただけで
カラダが緊張してしまう
そんなことをつらつら考えて
あぁありがたいなぁと
昨日も背中をさすり合いながら思ったのであった