昨日は文字通り“洗濯物を干しに”
実家へ行ってきたのだが
帰る際に少しだけ駅前をぐるっと回ってみたのだ
もう少し暖かくなれば
山に登ったり川に降りたりするのもいいなと思うが
こう寒いとそれも億劫だったし
まぁ体調的にもあまり動ける状態ではなかったし
駅前から真っすぐ伸びるメインストリートを歩き
しばらく行ったところで交差する商店街へ入り
さらにちょっと歩いてから
路地を抜けて平行する商店街に出て
メインストリートまで戻ってみた
アルファベットのPを描くようなルートである
そして思ったのだ…記憶よりも街が小さいと…
子どもの頃の商店街はもっと大きくて賑やかで
建物はひしめき合い多くの人がそこを歩いていた
もちろん子どもの目線での記憶だ
でも父が倒れて一時期
この商店街近くの病院に入っていたこともあり
街を歩くのはそれほど久しぶりなことではないから
大人の視線になってから比べても
今回やけに街が小さいなぁと感じたのである
それはたぶん人気の無さから来たものだろう
いくら平日の昼間とは言え
この閑散とした風景はあまりに寂しい
人気と言うよりは生気と言っても良いかもしれない
何だか全ての建物や道幅が
8割程度に縮んだような感じである
商店街に立ち並ぶお店は
撮影が終わったオープンセットか舞台の書き割りのようで
存在感がとても希薄なのだ
いやそれを言ったら街自体の存在感が薄らいだ気がする
まるで夢から覚めて身の置き所に困っているみたいだ
二階建てだった本屋も消え塾になってしまったし
駅前商店街のシンボルだった小さな地方デパートも
数年前に撤退し今は更地になって
銀行のビルが建つのを待っているのだ
以前彼女とこの街に来た時には
まだこのデパートもあったんだが
毎日のように気晴らしに通っていた本屋さんの
裏の自転車置き場に
路地を抜けて辿り着く記憶
まだエスカレーターなどなかった頃の
デパートの暗い階段を上から見下ろした記憶
家族で最上階にあったレストランで食事した記憶
すべて懐かしい夢のような事柄になってしまったなぁ
とぼとぼと歩きながらそんなことを思いつつ
ミニ駅前散歩は終ったのであった