Marge Litch(マージュリッチ)時代から
ボーカルの世良純子の歌が好きで
特に「真実の指輪」は良く聞いたものだ。
ALHAMBRA(アルハンブラ)になって
音が今風にアップデートされ、
リーダーがYUHKIになったことで
メタル度とキーボード比率が増した。
そしてプログ・メタルのテクニカルなアンサンブルと
1980年代風プログレ・ハード的なメロディアスさが
見事に融合されたサウンドに、
世良純子のクラシカルなハイトーンボイスが乗ると、
もう唯一無二なALHAMBRAサウンドなのだ。
声楽を学んだと思われる世良純子の
クラシカルな発声とオペラティックな歌い方には
圧倒的な迫力と、汚れない初々しさがある。
でも、敢えて言うならその魅力は、
危うさであろう。
実際、多少ピッチが不安定になることもあるが、
直接的にはそこを指摘したいのではなく、
トータルな印象を言っているのである。
クラシカルな唱法を基本としながら
朗々と歌うというよりは、
どこか絞り出す感じに近く、
それが、もがき苦しみながらも、
希望を捨てずに前を向いて、
必死になって声を限りに歌っているような、
切なさと危うさを醸し出しているのだ。
唐突な例えだが
Robert Frippのギターみたいな感じである。
テクニックを越えた世界が広がるのだ。
〝凄み〟みたいなものだ。
だから、クラシカルな唱法という点では
もっと上手い人はたくさんいるのだろうが、
世良純子の歌にはとても惹きつけられるし、
バンドサウンドにもとても合っているのである。
アルバム「The Earnest Trilogy」も買ってしまったぜ。