2012年に発表されたPVで、
シングルとして発売されたあとに
アルバム「人間と動物」にalbum versionが収録された
「Shameful」という曲。
カメラワークをシンクロさせながら
体育館の実写映像を背景に
CGの机や人形を合成したものだ。
やっぱり元教員のワタシとしては
この見慣れた体育館が、
大規模倒壊ゲームの現場になるというところに
不思議な感覚や刺激を覚えるのである。
授業や部活や行事で使う体育館には
とにかく色々な思い出や、
様々な思いが宿っているものだ。
体育の授業の汗臭さとか、
行事指導の苛立たしさとか、
イスだし・片付けの面倒臭さとか、
入学式・卒業式の緊張感や晴れやかさとか。
放送係として放送室にこもって、
タイミングをはかりながら音楽を流したなぁ、とか
入学式で担任としてクラス全員の呼名をしたなぁ、とか
卒業式で校長の証書授与の介添役をするために、
舞台袖で順番待ちしていたなぁとか、
その卒業証書を体育館に持ってゆくのを忘れて、
式が始まってから焦って探し回り、
ギリギリ証書授与に間に合ったことがあったなぁ、とか。
あの時はワタシがトレイに乗せた証書を持って、
式の真っ只中に
体育館端を小走りに舞台に向かったんだったなぁ、とか。
それに、そもそも体育館という薄暗い場所自体が、
何か特別な空間なのだろう。
日本の場合、舞台がついていて講堂の役目も果たすから、
スポーツで汗を流す場というのにとどまらず、
どこか厳かな、神妙な感じがつきまとうのも、
体育館に一種異様なイメージをもたらしていると思う。
だからこのPVの破壊には
あまり爽快感がなくて、
どこかドロドロした不気味さがあるのかもしれないなぁ。