2017年1月30日月曜日

「もうっこ」(津軽の子守唄)赤い鳥

「翼をください」の赤い鳥には
数々の名曲があるが、
「竹田の子守唄」でも有名である。
   
特に、のちに「紙風船」となる
後藤悦治郎と平山泰代の2人は
メンバーの中でも特に、
伝承歌に積極的に取り組んでいた。

そしてその伝承歌の一つに
津軽の子守唄「もうっこ」がある。
赤い鳥の歌う「もうっこ」は
「ミリオン・ピープル」というLP2枚組のライヴか
「Studio Live」でしか聴けない曲で、
アルバムとも残念ながらCD化されていなかったのだが、
何とデジタル版として入手可能になっていたのだった。

そこでさっそく「ミリオン・ピープル」をゲットしてみた。
1973年の文京公会堂ライブである。
全21曲のまさに集大成的ライヴ。
時期的には大傑作「祈り」を発表した後のことだ。
ちなみに「祈り」(デジタル・ミュージック) も入手可能だ!

そしてこの「もうっこ」がスゴイのだ。 
2枚組LPのB面すべてを使った18分を超える大曲。
怨念がこもったような子守唄がすでにサイケデリック。
歌うのはもちろん平山泰代。
山本潤子が都会的で耳に優しい声なのに対し、
平山泰代は歌にもっと情念を叩き込むタイプだ。

その後なんとジャズ・ロックに突入。
サックスは渡辺貞夫
エレクトリック・ピアノは深町純! 
そしてドラムスに桜井英顕
パーカッションに森本哲也というゲストが大活躍だが、
後のハイ・ファイ・セット組である
山本俊彦のギターと
大川茂のベースもフューチャーされている。

「祈り」は素晴らしいプログレ・アルバムであった。
大村憲司と村上秀一はすでに脱退しているが、
赤い鳥には〝プログレッシヴ〟な精神が息づいていたことを
実感させてくれる。
だって、子守唄から流れ込む怒涛のジャズ・ロックですよ!