2017年6月18日日曜日

「シン・ゴジラ」で丸子橋はなぜ飛んだ?

武蔵小杉の高層ビル群を抜けてやってくるゴジラに
多摩川を首都防衛ラインとして集結した自衛隊が
ヘリコプター隊(フェイズ1)、戦車隊(フェイズ2)、
そして戦闘機(フェイズ3)と
段階的に火力を増しながら集中攻撃を行う。
しかし効果なし。

それどころか、JDAM弾の爆煙の中から
ちぎれたような丸子橋が飛び出し、宙を舞い、
結果的に戦車隊や前線指揮所が被害を受ける。
どんな攻撃にも動じないばかりか、
少しカラダを動かしただけで
こちらに壊滅的な打撃を与えるという
かなりショッキングな(萌える)場面である。

だがしかし……丸子橋が飛ぶって変じゃないか?

まず、宙を舞う丸子橋の形だ。
橋の両端がちぎれたようなきれいな形を保っている。
例えばゴジラが尻尾で弾き飛ばしたのなら、
恐らくこんな形にはならない。
両端を持って勢い良く上に放り上げないとダメだ。

さらに……
そもそもゴジラは、そんな俊敏な動きをしていない。
第二形態から第三形態へ変化した時も
その変化に自分自身が一番戸惑っていたかのようだった。
そして体の冷却のために慌てて海中へ避難する。

鎌倉上陸後も、ただゆっくりと歩くだけで、
橋を弾き飛ばすように尻尾を俊敏に動かすというのは、
いきなり過ぎて、かなり違和感がある。
  
ゴジラ的には、口も手もほとんど形だけなわけで、
自分のカラダをうまく使いこなせていない感が強く、
実際、多摩川を越え、都内に侵入したゴジラは
やはりただゆっくりと歩くだけなのだ。
その後も尻尾をムチのように使う場面は一度もないのだ。

と言う風に考えてみると、
丸子橋が、あの形で、ほぼ真上に派手に飛んだのは
かなり不思議なのだ。
いったい爆煙の中で、何が起こっていたのか?
  
米軍の地中貫通爆弾の攻撃で身の危険を感じたゴジラが、
火炎ビームやレーザーを発射するが、
これはゴジラ的には、
危機に直面して初めて発現した能力だと思われる。
それなら、JDAM弾を被弾した時も、
細やかながら、進路を変えたのだから、
ほんの少しだけ身の危険を感じ、
爆煙の陰で何かの力が発現していたとしてもおかしくない。

そういう〝サイコキネシス〟的な力が、
一瞬だけ表に出て、
丸子橋を、まるで両手で跳ね上げたかのように、
きれいに宙に弾き飛ばしたのではないだろうか。

その力が二度と使われなかったのは、
爆撃機というはるか上空からの攻撃に対し、
火炎ビームやレーザーという飛び道具が発現したため、
攻撃方法がそちらメインになってしまったからかも。
  
というのが、今のところの私的〝仮説〟である。