ワタシは眠っていた
場所は実家である。
すると誰かに起こされた。
誰だかわからないが、びっくりすることもなかったので、
たぶん良く知っている人らしかった。
ワタシは不機嫌だった。
でもその誰かは容赦なくわたしを起こして
こう言った。
「ちょっと、起きてよ。外を見て。」
「なんだよ、どうしたんだよ。」
「うちの家の木で、人が首をつっているのよ。」
「え〜!」
そこで目が覚めた。
最後は、狭くて暗い実家の庭に
不自然なくらいまっすぐに上から垂れ下がるロープの影
という絵であった。
なんて目覚めの悪い夢だろう……
目が覚めてしばし呆然である。
何日か前に見た心霊番組の影響か……
ネットで見た怪談の記憶か……
はたまた昨晩テレビで片岡愛之助が
心霊体験を語っていたのが頭に残っていたのか……
しかし、怖いというよりも
ワタシは腹が立ったのである。
なんちゅう夢を見せるんじゃい!
どういうつもりじゃい!
人の安眠をじゃましやがって!
相手が良くわからないまま、
ワタシは怒った。
そして朝まで良く眠ったのであった。