2012年9月24日月曜日

妻に先立たれた独居老人みたいだ

残暑がこれでもかっていうぐらい続いていたのが
一昨日ぐらいから天気が崩れて涼しくなり
昨日はちょっと寒いくらいだった
そしていきなり空気が秋になった

すると思い出されるのはやっぱり病休の頃である

病休に入ることは確かにトラウマとも言えるような
精神的にもキツい出来事だったけど
今ではどこか救われたような自己救済の記憶でもある

山の尾根をバランスを崩しそうになりながら

もうダメだ…今度こそもうダメだ…と思いながら
全速力で転げるように走り続けていて
ついにカーブを曲がり切れなくて崖から飛び出した…
そんな感じであった

落ちていく先にゴツゴツした岩肌が広がっているのか
深い谷底を流れる暗い川が待っているのか
全然わからない恐さはあったけど
倒れないように踏ん張り続けていたことによる
疲労と緊張と焦燥と恐怖からは
やっと解放されたような嬉しさもあった
あぁもう頑張らなくてもいいんだ…って

そんなある種の安堵感の中で半ば放心状態にあったのが
病休開始から一週間ほど経った今頃である
今日の秋めいた天気はその頃を思い出させてくれる

そして病休後二週間経った10月の頭に
彼女と一泊旅行したのであった
本当に何をするでもどこを見に行くでもなく
ただ宿に籠っているような何もしない旅だった

人に会うことも人混みに分け入ることも嫌で
テレビすら見る気にもならず
まして旅行など一人では行けなかったろうけど
もう自分を支えるものが何も残ってなくて
でも彼女だけはそばにいてくれる
そんなことを確かめたかった旅であった

彼女はとても気を遣ってくれながら
いつものようにずっとニコニコしながら一緒にいてくれた

(あぁ何もなくなっちゃったけど、彼女がいるから大丈夫だ)

ってとても気持ちが落ち着いたものだ
あの時は100%彼女に頼り切っていたんだなぁ
時間が経つほどに感謝の気持ちが強くなる

雨の白川郷を歩いたのもこの時期か…

彼女との楽しい思い出がこれからも
季節の移り変わりとともに色々と甦ってくるのだろう
これがこれからは自分を支えてくれるのかもしれないなぁ

でも何も見ずどこにも行かずに過ごしたあの小旅行に
もう一度一緒に行きたかったな
今ならあの時は無理だったロープウェイにも乗れるからさ…

あぁ…イカンなぁ…妻に先立たれた独居老人みたいだな…
でも死んでも天国でもどこでも
彼女が待っていてくれるわけではない

この秋はあの旅籠へ行ってみようかな