匿名で出したにもかかわらず評判を呼び、
翌1881年に続編が書かれ、
今は両方をセットで「ハイジ」の物語となった。
前半の展開の速さに比べ
後半にどこか“後日譚”的な落ち着きがあるのは
そういう理由によるものなのだろう。
すぐに英語やフランス語に翻訳され
各国でベストセラーになったと言うことなので、
その挿絵もいろいろな人が描いている。
今回使おうと思っているJ.W.スミスのものも有名らしい。
そんなハイジの挿絵を何気なく探していたら
初期のものとしては、1916年出版の本の挿絵として登場した
シュピーリと同じスイス出身の
ルドルフ・ミュンガー(Rudolf Münger)のものがある…
ということを初めて知ったのであった。
現在一番人気らしいパウル・ハイ(Paul Hey)の挿絵は
1929年発行の本からで、
引いた構図を多用してアルプスの風景の中に登場人物を置いた
実に物語に沿った美しいもので、お気に入りなのだが
まだパブリック・ドメインにはなっていない。
それと比べるとミュンガーの挿絵は素朴で
構図的な変化にも乏しい(舞台を見ているようだ)けれど
登場人物や風景に変な思い入れがないところが
逆に魅力的なのである。
1916年発行なので、こちらはパブリック・ドメインになっている。
おんじの山小屋の様子など、実に詳細かつリアルである。
アニメのイメージは現実には広過ぎるのだ。
もちろんこぎれい過ぎる。
もちろんこぎれい過ぎる。
これくらいの狭さであろう、実際は。
これなら真冬も山の上に暮らすことの過酷さや異常さ、
つまりおんじの(村人から見た)変人ぶりも納得できると言うものだ。
つまりおんじの(村人から見た)変人ぶりも納得できると言うものだ。
資料にしようと、この挿絵が使われている独書を注文してしまった。
やっぱり2バージョン同時発行かな。
そんなことってKindle(デジタル書籍)ならではであるなぁ。