「ハイジ」は実に良く出来ている物語である。
訳していてつくづくそう思う。
文体がどうこうとか表現がどうこうとかではなく、
展開そのものが実に良く出来ているのだ。
キャラクターもきちんと描かれているし
心情も細かく表現されている。
それも平易な言葉で書かれているのだ。
だからオリジナルがドイツ語で
それを英訳したものを日本語訳していても、
訳し切れないもどかしさはあまり感じないのである。
名作とはこういうもののことを言うのだなぁ。
結構長い話なので翻訳にも時間がかかるのだが、
やっと前半のクライマックスが終った。
次々と息つく間も無いほど事件が起る前半で、
後半部分は“その後”という感じもするくらいだから、
ある意味物語全体のクライマックスとも言える部分だ。
もう訳していても止まらない面白さであった。
さあ、少しずつだけど
CGコンペ生活という特殊な毎日から
もとの翻訳生活に戻って来たぞ。