「ジャングル・ブック」第一話は復讐劇第一部であった。
そして時が遡る第二話は大活劇である。
目はドライアイでつらいけれど、訳す手が止まらない。
サルの大群にさらわれたモーグリを助けに、
クマのバルー、黒ヒョウのバギーラ、
そして助っ人のニシキヘビ、カーの三匹が、
王宮の廃墟跡というサルの敵地に、
命がけで乗り込むのだ。
夜、雲が月を隠すタイミングを狙って
先に着いたバギーラが単身敵の中に飛び込む。
しかし多勢に無勢、バギーラがピンチにおちいる。
その時穴ぐらに突き落とされたモーグリが
精一杯に声で加勢する
そこに足の遅いバルーがかけつける。
それでも劣勢は変わらず、バギーラが絶望の叫び声をあげる。
そこに、別の方から回り込んでいたカーが一気に飛び込む。
まさに手に汗握る大バトルである。
結局モーグリの物語は、
ある意味一匹狼たちが愛情と友情に結ばれて
互いを助け合う物語である。
そして、そこには仁義を守れば加勢してもらえるという、
任侠的世界が繰り広げられるのだ。
“ジャングルの掟”とは、まさに仁義そのものであり、
サルの群れは、仁義にもとる/仁義を知らない一家なのだ。
そこをうまく児童文学的なオブラートで包んでいるのである。
上手いなぁ。
ということで、楽しみながらも一応着々と進んでいる
翻訳第11弾であった。