やけに懐かしいのである。
もう、わぁ〜って言うくらい懐かしいのだ。
半年前のことだし、
ついこの間まで、まだまだ夏だって
一人で頑張っていたくらいだから、
そんなに懐かしく感じるはずはないと思うのだが
妙に懐かしいのだ。
それでふと、それはきっと
季節が変わったからだなと思ったのだ。
空の色、空気の感じ、気温、湿度、
そういう季節の記憶が今ととても違うから
あの時のあの場所と、今のこの場所は違うんだと
いう思いが実感されるんだな。
それが時間が経った気持ちにつながるのだ。
それだけ冬が深まったから
一気に夏が遠くなって
懐かしさが吹き出してきたのだ。
だから考えてみれば、
これだけ変化の激しい季節があることは
なかなか大事なことなのかもしれない。
これほど季節にメリハリがないと、
記憶はこれほど劇的には
思い出にならないのかもしれないな。
もちろん夏がとても楽しかったから
懐かしい思い出になるんだけれども。
少しメランコリックな気分で
そんなことを思う
一月のみそかの夜であった。
鳴門の渦潮