押入れのふすまが少し動いた気がした。
でもワタシは一人で留守番をしているはずで、
まして押入れのふすまが動くはずなんてないのだ。
そう思うと、安心して風呂に入る。
外は良い天気だ。でも風が強そうだな。
風呂から出てくると
先ほどの押入れのふすまが開いていた。
中の布団から誰かが嬉しそうに顔を出している。
下の子どもである。
すぐに気づかれると思ったけど、けっこう大丈夫だったね。
何だか変な感じがしたけれど、気のせいだと思ったよ。
そんなやりとりをして、
自分だけじゃないのなら、休ませてもらおうと思い、
廊下に出て、自分の部屋にゆく。
そこは六畳ほどの和室で、すでに布団が敷いてあるのだ。
でも頭の上が縁側になっていて、
閉まっているガラス窓の外から、
あふれんばかりの日差しが部屋の中に差し込んでいるのだ。
それはもうキラキラしていて美しく、
ポカポカと暖かく、
とっても幸せな気分になる。
こんな平和な場所と時間が、
ワタシの生活にもあったんだなぁと思う。
そんな夢。
ワタシは日頃良く昼寝をしてしまうが、
自分では眠くて寝ているように思っているけれど、
実は、起きていたくなくて寝ているのかもしれないな、と
起きた瞬間おぼろげに感じたのだった。
それはまだ夢の続きだったのかもしれない。