風邪の症状は一応消えて、
ノドはまだ無事である。
でも時々頭痛の気配がする。
翻訳作業は佳境(佳境が長い!)で、
2回目の校正作業も終盤だが、
1段落がやたら長い独白が続くので大変なのだ。
辛くなったら横になる。
眠くなったら寝てしまう。
そして起きたらまた翻訳をする。
そうやって1日が暮れてゆく。
しかし、これだけ真剣に文章を追っていくと、
翻訳している物語世界にどっぷり入り込むのだが、
1年と少し前に訳していた「吸血鬼カーミラ」は
いろいろ不安定なワタシ的には
ゴシックホラー的な雰囲気に浸るのが
なかなか辛かった覚えがある。
切った張ったはないけれど、ジワジワと迫るものがあって
翻訳のつもりで読んでいても不安になるのだ。
それだけ良くできたホラーなのだな。
だからこそ完成した時は
その自分の不安を乗り越えて
そのジワジワ感が訳せた気がして嬉しかったけど。
今回の「ジキル博士とハイド氏」も
古城が舞台ではないけれど
ゴシック的な怪しさ満載である。
でも超常的恐怖が主題ではないから
陰々滅々とした恐怖の世界とはちょっと違う。
ある意味いろいろ突っ込みどころも多いのだが、
それをものともしないだけの魅力があるのだ。
ずっと気になっているのは、
ジキル博士の最後の様子をどう捉えたらよいのか、だが、
それは「訳者あとがき」に書く予定だ。
ということで、本文の翻訳が終わっても
ちょっと大変かもしれない。
それはそれで楽しみかな。
舞台で二役をこなしたリチャード・マンスフィールド