2016年2月4日木曜日

寝たり起きたりしながらも翻訳佳境なり


風邪の症状は一応消えて、
ノドはまだ無事である。
でも時々頭痛の気配がする。

翻訳作業は佳境(佳境が長い!)で、
2回目の校正作業も終盤だが、
1段落がやたら長い独白が続くので大変なのだ。

辛くなったら横になる。
眠くなったら寝てしまう。
そして起きたらまた翻訳をする。
そうやって1日が暮れてゆく。

しかし、これだけ真剣に文章を追っていくと、
翻訳している物語世界にどっぷり入り込むのだが、
1年と少し前に訳していた「吸血鬼カーミラ」は
いろいろ不安定なワタシ的には
ゴシックホラー的な雰囲気に浸るのが
なかなか辛かった覚えがある。

切った張ったはないけれど、ジワジワと迫るものがあって
翻訳のつもりで読んでいても不安になるのだ。
それだけ良くできたホラーなのだな。
だからこそ完成した時は
その自分の不安を乗り越えて
そのジワジワ感が訳せた気がして嬉しかったけど。

今回の「ジキル博士とハイド氏」も
古城が舞台ではないけれど
ゴシック的な怪しさ満載である。
でも超常的恐怖が主題ではないから
陰々滅々とした恐怖の世界とはちょっと違う。

ある意味いろいろ突っ込みどころも多いのだが、
それをものともしないだけの魅力があるのだ。

ずっと気になっているのは、
ジキル博士の最後の様子をどう捉えたらよいのか、だが、
それは「訳者あとがき」に書く予定だ。

ということで、本文の翻訳が終わっても
ちょっと大変かもしれない。
それはそれで楽しみかな。
    
舞台で二役をこなしたリチャード・マンスフィールド