今行っている翻訳の原文は
Project Gutenbergにアップされている
パブリックドメンデータのテキスト版を使うことが多い。
ところがこれもテキスト入力作業によるものなので
たまに間違いがあったりするのだ。
その点で最終的な確認に使えるのは、
Open Libraryプロジェクトにアップされているデータである。
こちらは書籍そのもののデジタル化を目指しているので、
表紙や目次や奥付も含めた
全ページがそのままスキャンされているのだ。
そこで書籍の段階でどう印刷されていたかが確認できるのである。
でも単純なスキャンデータではなく、
単語検索もできるという手の込んだデータなので、
表に出ないデータとしてテキストも含まれているようなのだ。
ありがたいことである。
『宇宙戦争』を訳していて、今回一箇所ミスを見つけた。
本来“Maxims”(マクシム砲:旧式の連射機関銃)のところを
“Martians”(火星人)と誤入力されていたのだ。
「火星人がガタゴト音を立てていた」??
いや、「マクシム砲がダダダダと火を吹いた」のだ!
ということで、意味不明だった文章が
一件落着したのであった。
これは市販の邦訳書を読んで、
もしかするとこの英文が間違っているかもと思い、
原文を確認して訂正できた例でもある。
そういう点でも一応邦訳書は必要なのである。
「宇宙戦争」翻訳、まだまだ長い戦いが続く。