気づくと電車を乗り過ごして
見知らぬ駅についていたのだった。
駅名が書かれた看板に「ヨネザワ」とある。
いや、実際は漢字だったのだが、
「米沢」ではなかった気がするのだ。
3文字だったように思う。
でも文字は覚えていないのだ。
もちろん山形県の米沢ではない。
今まで一度も行ったことない場所だし、
調べたことも関心を持ったこともないから、
駅にしても街にしてもイメージがまったくないのだ。
電車を降りると山頂近くのような、かなりの高台だ。
はるか下の方に港が見えて
海がキラキラと輝いている。
とっても平和な雰囲気がする。
一瞬、以前千葉の鋸山から見た港に似ている気がしたが、
ひなびた様子ではなく、明るく活気にあふれた
海水浴場のような長い浜を持つ町である。
いや、横浜みなとみらいのような
「都会」と言っても良いかもしれない。
でも帰らねばならない。
気づくと夜行列車に乗っている。それも屋根に……。
乗り過ごして「ヨネザワ」まで行ってしまった人が
かなりたくさんいたのか(そういう問題か?)
貨物列車で座席がなかったからか(そういう問題か?)
正面からビュービューと風を受けながら
たくさんの人がはらばいになって、
屋根にしがみついているのである。
なぜかみんな靴を脱いで乗っているので、
ワタシの足元に顔がある人は、
靴下が臭っていたら申し訳ないなぁ、などと
ワタシはいらぬ心配をしているのだ。
深い闇を切り裂くように列車は進む。
どこへ向かっているのかわからないが、
とにかく戻らなければならないのだ。
そんな夢。