《望林堂完訳文庫》第14弾として
「みちばちマーヤの冒険」を出すことに決めて、
早一ヶ月半である。
つまり今年の夏はこの
「みつばちマーヤの冒険」の翻訳で終わったのだ。
それがやっと今日、第一稿完成までたどり着いた。
なかなか苦しかったが、楽しかったのである。
ドイツ人作者のボンゼルスの、
ちょっと引いたドライな視点がとても良い。
主人公にベタベタとおもねらないし、
情に流されてドロドロもしない。
虫同士の世界では
あっさり食ったり食われたりするし、
人間同士の戦争も暗喩している
クライマックスのミツバチ対スズメバチ戦争も、
あくまで主人公マーヤのミツバチ側の立場に立ちながらも、
スズメバチは「敵」ではあるが「悪」ではないという、
勧善懲悪的ではない視点が貫かれるのだ。
ここには戦争の歓喜と高揚と
緊張と恐怖と
意地とプライドと
死と悲惨さと悲しみが
すべて描かれている。
いやぁ、良い作品ですよ、これは。
早く出版までこぎつけたいものだなぁ。
ミツバチ軍、いざ出陣!
物語、挿絵ともに、このリアル/擬人化のバランスが絶妙なのだ