自閉くんの休日恒例お買い物で、
折り紙本と折り紙を見に
駅前の丸井の本屋さんまで行ってきたのだ。
せっかくの良い天気だから、
彼だけ家に帰して、そのままふらふらと
散歩でもしようかと思っていたのだが、
昨夜の寝不足と朝方の地震で起こされたのとで、
今日も気分は超低空飛行なのだ。
気持ちが全然盛り上がらない。
でも家に戻って翻訳の仕事をするにしても、
スピーチ機能読み上げチェックを
黙々と続けることになるのだが、
数行進んではため息をついて中断の
繰り返しになるのは目に見えている。
やっぱり寝るかな、と思いながら、
自閉くんのかなり後ろからとぼとぼ歩いていた。
なんだか何もかも面倒で、
どうにもやるせない気持ちになって、
思わず口笛を吹いてみたのだ。
自慢じゃないが、ワタシの口笛は良い音なのである。
もしかすると歌とか曲っていうのは
こういう時に生まれるのかもしれないなぁとか
キザなことを思いながら、口笛を吹く。
そうしたら◯◯◯◯教宣教師だと思われる
白シャツにネクタイを締めた若い外人さん二人ずれと
何気なくすれ違った際に、
「Hello! How are you!」
とニコニコしながら声をかけられたのだった。
たぶん、口笛なんか吹いて、ご機嫌なんだなと
思われたんじゃないかな。
ワタシは
「fineな気分じゃねぇんだよ……
まったくもうno thank youだよ……」
と思いながら、苦笑いを返した。
きっと、ご機嫌な人が
照れ笑いしたと映ったことであろう。
口笛よ響け。
誰からどう思われようとかまわないから。