どうやら様子がわかってきたのである。
保険金殺人目的はないことは当たり前だが、
(それどころか、私たち子どもにもしものことがあったら、
それだけでたぶん生きていられないような父であった)
では何なのかと思っていたら、
これは貯蓄目的に利用したものだったのだ。
つまり私が亡くなった時の遺族(母)の保障ではなく、
生存中の解約返戻金を目的とした、資産運用だったのだ。
「一時払終身保険」なので、一括で保険料を支払い、
一定期間が過ぎると解約しても元本を越える。
たぶん郵便局の定期や銀行に預けるより、
利率が良いとか言われて加入したんだろう。
だから母親が受取人なのだ、父の(実家の)資産運用なのだから。
たぶん弟にも同じような保険をかけているんじゃないかしら。
自分の子どもたちだから、まあいいだろう、
ぐらいの感じだったに違いない。
いきなり保険会社から連絡を受けた時には
さすがにびっくりしたし、怒ったけどね。
一緒に暮らしていた弟は、ちゃんと聞かされていたのかも。
ということであれば、もう解約しちゃうことにしたのだ。
父も亡くなって、状況もずいぶん変わった。
相続に関わって、お金も大きく動くし。
なんの相談もなく生命保険に加入させられたというのは
やっぱり良い気持ちはしないが、
いろいろ聞いてみて一応納得できるようになったし、
解約することでやっとスッキリできそうである。
はぁ、長かったなぁ。
契約から14年目の解約である。