2014年6月14日土曜日

翻訳第六弾は「あしながおじさん」

またまたチャレンジングな名作である
個人的にも思い出深い作品で
たぶん中学時代だったと思うけど
この「あしながおじさん」や「赤毛のアン」を読んで
わたしは生きる術を身につけたと言っても
過言ではないのである

まず言っておきたいのは
「あしながおじさん」なんて
金持ちのオトコがその金にモノを言わせて
身寄りの無い孤児の中から
自分好みの女の子を見つくろって
囲う話じゃないかと毛嫌いしている人がいたら
それは大間違いであるということだ

あるいは
いつか白馬の王子様が
不幸なわたしのもとにやって来てくれるという
少女の淡くも非現実的な夢を描いた
ご都合主義的シンデレラストーリーだろうと思うなら
それもまた大間違いである

主人公のジュディーも“あしながおじさん”も
そういう独りよがりで自分勝手な人で無いことは
本を読んでもらえば分かるわけだけれど
では何が一番若き日の自分の支えになったかというと

“ツライ時や悲しい時にも、
想像力&空想力の助けを借りて
何か面白いことをささやかにでも見つけることで、
自分を奮い立たせて行く”
  
という明るい生き方なのだ

わたしが子どもだった頃の1970年代というのは
スポ根ものが流行ったりして
正面から苦悩にぶつかり戦い乗り越えるという物語が
幅を利かせていた時代であった
ワタシはそういう生き方にとても居心地の悪さを感じていた
そんな時にワタシを救ってくれたのが
この本のジュディー・アボットでありアン・シャーリーであったのだ

恩返しのつもりで頑張ってみようと思う次第である