2014年6月22日日曜日

Kindle本作りはアニメ制作に似ている…かも

翻訳をしていて何の知識もないけどふと
アニメ制作ってこんな感じなのかなぁと思ったのだ
自分が一人のアニメーターになったような気分である

原語のオリジナルはいわば“完成された絵コンテ”である
でもそのままでは表には出せないので
監督や脚本の意図するところを汲みながら
それに動きを加えていくわけだ

骨格は変わらないけれど
アニメーターの個性や力量で
アニメーションは変っていく
翻訳だって絶対的な存在としてオリジナルがあるけれど
翻訳者によってその日本語版の印象はかなり違ってくる
「あしながおじさん」なんて手紙文だからそれが顕著で
ジュディの性格や幼さや
「おじさま」との距離感も違ってくるのだ

そして連日の修行のような作業の積み重ねである
作業中は作品世界にどっぷりと浸かり
現実時間とは別の作品内時間が流れ出す

例えばワタシにとって今リアルなのは
二年生になったジュディと三月を過ごしている
ペーパーチェイスという追跡ごっこをして
丘や畑や沼地を抜けて8kmも歩いて来たところなのだ

そうやって少しずつ少しずつ全体像が見えて来る
それに従ってルビが入る
挿絵が入る
脚注が入る
そして仮のkindle本を作って全体を検証する

アニメも声優さんの声が入る(先の場合もある)
効果音が入る
音楽が入る
ラッシュチェックで全体を検証する

などと強引にアニメーション制作に例えばみたけど
多分この長時間黙々と少しずつゴールに向かっている感じが
一番似ているんじゃないかと思う
体力勝負の持久戦である
でも集中力を落とすこともできない

翻訳で集中力が落ちると変なミスをするだけでなく
例えばジュディの性格が変わってしまうとか
ウキウキした話なのに文章の流れがぎこちなくて
実はウキウキしていないかのような印象を与えるとか
そんなことにもなりかねないのである

少なくとも〆切に追われていないワタシはすごく恵まれているから
集中力メインでやるためには適度に休まないと…
でも早く完成品が見たいという
はやる気持ちも強いから困ってしまうんだけど