2014年6月9日月曜日

出版社としての矜持みたいなもの

Kindle書籍を売る場合
在庫を抱える心配がないからこの本の山をどうしようとか
保管するのも費用がかかるとかいうこともないし
それがもとで借金を作ったとか倒産したとかいうこともない
だからとても敷居が低く気軽に本を出せてしまうのだ

でもお金を払っていただいている点では

現実的にはもう立派に“出版社”である
“超零細出版社”だから知名度はゼロだけど
Kindleの棚に並ぶという点では同じなのだ
  
だから“翻訳者”から“編集者”にチェンジして
“翻訳者”の原稿をチェック&手直ししたり
“イラストレーター”から上がって来た表紙案を見るのは
とても本気な作業なのである
  
そうした時にいつも頭に浮かぶのは
20年前にパソコン関連の本を出させていただいた時の
編集を担当して下さった方々のことなのだ
特にお二人の女性の方にとてもお世話になったのだが
その丁寧さと真剣さと粘り強さと明るさを
いつも思い出しながら作業するのである
  
本当に地道な作業だと思うのだが
とにかくコツコツと一つずつ終らせて前に進むという感じで
決して怒ることも急かすこともなく
必要な確認作業や手配なども機敏に動いてもらって
とにかく良い本を出しましょうという話しを一緒にしながら
楽しく楽しく本を作らせてもらったのだ
  
週刊誌にちょこっと連載していたことがあって
そちらは担当の人も服装や言葉遣いが
いかにもギョーカイって感じがして
その雰囲気にけおされ気味だったけど
本を担当して下さった出版者の方々は
とても真面目で誠実で力のある人たちであった
  
いやもちろん週刊誌の担当の人だって
基本的には一生懸命で力もある人だったけども
やっぱり一緒に仕事をする上では
接する時の態度の好き嫌いは大きいのである
  
実際の編集作業を目の前で見ているわけではないんだけど
あの一生懸命さとか誠実さとかは
お手本としていつも自分の中にある気がする
“翻訳者”からチェンジする時は
自然とそういう“編集者”になろうとしているのだ
ありがたいことだなぁ 
  
皆さんお元気でしょうかしら