(谷川俊太郎 訳、1988年)
「たまげましたわ!ニューヨークって、大きいところですのね。ニューヨークに比べたら、ウースターなんて町じゃありません。あんなめまぐるしいところに、ほんとにあなたはすんでいらっしゃるのでしょうか?わたしは、二日間で目が回ってしまって、一月やそこらでは、回復しそうにありません。」
(前田三恵子 訳、1973年)
「もうびっくりです!ニューヨークって大きいのですね。ウースターなんて全然たいしたことありません。あなた様は本当に、あのごちゃごちゃした街に住んでいらっしゃるのですか?わたしなんてわずか二日で目を回してしまった上に、数ヶ月程度では回復は難しいと思っているところです。」
(拙者訳、2014年)
手紙文というのはその時代の言葉遣いを如実にあらわす気がする
翻訳者の個性や意図もあるだろう
ワタシとしては原文のニュアンスをできるだけ伝えつつ
不自然な回りくどい訳にならないようにするという
バランスをとにかく考えている
加えて「あしながおじさん」の場合はジュディという女性を
知的でまじめで純粋でユーモアにあふれるつつ
決して馴れ馴れしくならないという
大人の女性として描きたいのである
しかし言葉選びにとても時間がかかるのだ
まだやっと半分行くか行かないかである
がんばれワタシ!梅雨が終ることにはきっと完成しているから