Dream Theaterに始まるprog metalとか
いわゆるバークリー音楽大学出身者などの
テクニカルな音楽には
あまり魅力を感じていなかったのだ
例えばRobert Frippのギターは
後にギター・クラフトなども立ち上げるが
それも含めて音楽大学的なものとは大きく異なる
Steve Howeのギターも
プレイはテクニカルでバックグラウンドも多彩だけど
やはりprog metal的な音とはまったく違う
そこに漂うのは“妖しさ”とか“無理矢理さ”だろうと思う
そういう「他人と違うとことをやる」ことを尊ぶ精神とか
ある種の「反社会性」みたいなものが
1970年代のプレーヤーには感じられるし
だからこそその音楽に“ まだ見たことの無い世界”を
感じることができたんだと思うのだ
そういう音に衝撃を受けた者としては
バークリー的な音はお行儀が良過ぎる
良く出来ていると思いつつも退屈なのだ
ということで食わず嫌いをしていたTransatlanticだったけど
1970年代から活躍するロイネ・ストルトもいるしなぁと
新譜「Kaleidoscope」を聴いてみることにしたのだ
そうしたらこれが良かったのである
マイク・ポートノイもやみくもにツーバスドコドコではなく
テクニカルではあるけどグルーヴィーだ
ロイネ・ストルトのギターはハードロック的で味がある
ボーカルも良いなぁ
ピート・トレワヴァスのベースも渋い
ニール・モーズのボーカルが聴かせる
全員がボーカルを取れるというのも魅力だし
それを活かした分厚いハーモニーも気持ち良い
大曲でも流れるような構成が聴く者を飽きさせない
そしてこの若々しさというか勢いがとても良いのだ
敢えて王道を突き進んで突破してみせたというような感じ
結局バンドそのものの魅力を見よう(聴こう)とせず
ビル・ブルフォードだったらこう叩くとか
デイヴ・ギルモアだったらこう弾くとか
過去のバンドとの比較でしかものが言えなくなっていたのだと
ちょっと反省したのであった
だったらそのYesなりPink Floydだけ聴いてろよってことだもの
Transatlanticの過去作はまだ聴いていない
でも「Kaleidoscope」は
今一番のヘヴィーロテ・アルバムである
きちんとじっくり聴いていきたい